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2006.01.30

博士の愛した数式

博士の愛した数式
博士の愛した数式
posted with amazlet on 06.01.30
小川 洋子
新潮社 (2005/11/26)


整数の美しさを通じて惹かれあう博士と家政婦の物語。恋愛とはちょっと違うけど、深くて切ない親愛の情がストーリーをやさしく包んでいます。

この物語の根幹は、数の美しさを理屈ぬきでとことん追求する博士の一途さに他なりません。主人公の家政婦も、その息子のルートも、博士の一途さに惹かれて、博士を喜ばせようとあれこれ画策するワケですから。むかし数学者になりたいと思っていた私にとっても、博士のような数学者は憧れの対象です。

学部生の頃、私は数学の様々な分野を勉強しましたけど、中でも整数論の難しさは群を抜いていました。今にして思うと、論理展開が難しいなんてレベルの話ではなく、根本的な何かが私には「見えて」いなかったんですね。数学は論理の上で厳密に構成される学問とはいえ、数学者にとって論理はあまり重要でなく、本質が「見える」かどうかが一番重要なのだと思います。(だから、数学の世界では、定理を証明した人より、定理を予想した人の方が遥かに有名だったりする)

この小説の執筆前に、著者の小川洋子さんは数学者の藤原正彦先生を取材したとのことです。博士のキャラクターの一部は、藤原先生がモデルになっていると考えていいかと。そんな小川さんと藤原先生による対談が、別の本として出版されています。

世にも美しい数学入門
藤原 正彦 小川 洋子
筑摩書房 (2005/04/06)
売り上げランキング: 1,937

実は、私はこちらを先に読んでしまいました(汗)。小説執筆時の裏話なんかも書かれていて面白いです。また、小説に登場した数や数式に関する詳しい説明もありますので、物語の世界をより深く知りたい方は読んでみるといいと思います。

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